今さらながらダウの犬投資法について考える

今さらながらダウの犬投資法について考える

こんにちは。

今日は大晦日でして、2019年も残すところわずかとなりました。
みなさんの2019年はいかがだったでしょうか。
私の実感としては、忙しく動き回ったこともありあっという間の1年でしたが、それなりに充実感があります。

さて、アメリカ株の投資法として、ダウの犬投資法と呼ばれる有名な手法があります。
1990年に以下のリンクにある書籍にて世に出た方法で、シンプルな手法でありながらNYダウを上回るパフォーマンスを期待できる投資法として知られています(日本語版は1998年に出た第二版の翻訳)。

 

私も以前からこの投資法自体は知っていましたが、古い手法だということもあり、真剣に検討したり、実践したことはなかったです。
投資方法は非常に単純なので、ウェブでも簡単に調べられますが、一度しっかり学んでおこうと今さらながらこの本を読んでみました。
本書では、1973~1998年の株式市場にて検証をおこない、ダウの犬投資法がNYダウを大きくアウトパフォームすることを示しています。

ダウの犬投資法とは?:NYダウの高配当銘柄にねらいを定めて投資する

ダウの犬投資法は、NYダウの構成銘柄から高配当の銘柄をねらいを定めてしぼり込み、ポートフォリオを構成します。
しかしながら、ポートフォリオの戦略が3パターンあります。
ポートフォリオの銘柄をより少なくするほど、ハイリスクハイリターンになります

  1. 前年度の配当実績を確認し、高配当の上位10銘柄を選定する。
  2. 10銘柄のうち、ポートフォリオ選定の基準をみたす銘柄を同額ずつ購入して12カ月保有する。
  3. 12か月後、再度 1.をおこない、ポートフォリオの組み換えをおこなう(配当金は再投資)。

現在では、年度ごとのダウの犬対象の銘柄をまとめてくれたサイト(https://www.dogsofthedow.com/など)で情報が手に入るので、ほとんど手間がかかりません。

なお、本書では投資資金として5,000ドル程度(現在のレートで55万円程度)があることを前提とすると記されていますが、ポートフォリオに採用する各銘柄をおおよそ同額ずつ購入できればよいので、5,000ドルという数字に固執せずより少額で試しても良いと思います。

戦略1:ダウの犬投資法(高利回り10銘柄ポートフォリオ)

ポートフォリオの選定基準:高配当10銘柄すべてを採用してポートフォリオを構成する

資金がもっとも分散されていて保守的な選択肢です。

戦略2:ダウの子犬投資法(高利回り最低価格の5銘柄ポートフォリオ)

ポートフォリオの選定基準:高配当10銘柄のうち、株価の下位5銘柄でポートフォリオを構成する

パターン1より分散度は小さくなりますが、株価の低い銘柄を選抜しているので、小さな資金でも実践しやすいのがメリットです。

戦略3:PPP

ポートフォリオの選定基準:高配当10銘柄のうち、株価の2番目に低い1銘柄のみでポートフォリオを構成する

厳密にはポートフォリオではなく、1銘柄のみで運用します。
歴史的に優れた実績がありますが、資金が分散されないので、強い精神力がないと耐えられないかもしれません。

ちなみに、PPPはPenultimate Profit Prospect の頭文字から来ています。
面白いのは、歴史的にみて、もっとも株価の低い銘柄よりも2番目に低い銘柄のリターンが優れていることです。

ダウの犬投資法がうまく行くロジック

ダウの犬投資法は、過小評価された優良株に投資するという意味で逆張り戦略になります。
一般的に、業績が低下して人気の下がった銘柄は、投資を促すために経営者が配当を高くする傾向があります。
高配当であることが株価が割安であることのサインとなるのです。

ただし、高配当ならば何でもよいわけではなく、NYダウの採用銘柄であることに意味があります。
NYダウに採用されるくらいの超優良企業であるからこそ、経営上の困難に直面したとしても、それを乗り越えるだけの経営基盤があるということです。

単に高配当というだけで投資すると、痛い目に合う可能性が高くなります。

実績

ダウの犬投資法が優れていることは、市場平均(NYダウ)とトータルリターンを比較することでわかります。

1973~1998年の成績

まず、上記の書籍に掲載されているデータになりますが、1973~1998年の26年間の年次別トータルリターンを見てみましょう。
赤字がNYダウに負けた年を示しています。

 

出典:書籍「ダウの犬投資法」より
※リターンは税金・手数料を考慮していない

 

まず、期間全体を通してみれば、3つの戦略のいずれもNYダウをはるかに上回るパフォーマンスとなっています。

累積でみれば、銘柄数が少ないポートフォリオの方が圧倒的にに好成績をあげています。
しかし、年次別の勝敗(対NYダウ)では、以下のように、負け越す可能性は逆に高くなります。

戦略1(10銘柄):17勝9敗
戦略2(5銘柄):18勝8敗
戦略3(PPP):15勝11敗

2000年以降の成績

2000年以降の成績についても見てみましょう。
下図は、2000年以降のパフォーマンスを年率のトータルリターンに換算したものです。

2000年からの累積や直近10年など長いスパンでみれば、5銘柄(Small Dogs of the Dow)や10銘柄(Dogs of the Dow)については、NYダウ(Dow Jones Industrials)を上回っています。
ただし、ここ5年ほどはそれほど優位性がありません。

※PPPについてはデータが見つかりませんでした。
※おしりにXのついた Dogs of the Dow X はさらにアレンジを加えた戦略なのでここでは無視してください。

 

出典:https://www.dogsofthedow.com/dogyrs.htm

 

出典:https://www.dogsofthedow.com/dogyrs.htm

まとめ

ダウの犬投資法というシンプルでユニークな投資法を解説しました。
近年優位性が失われつつある点が少し気がかりですが、歴史的に優れたパフォーマンスを示している投資方法です。

ただ、ダウの犬投資法にトライするのは良い選択だと思いますが、あらゆる相場状況でNYダウを上回るという保証はありません。
特にPPPは浮き沈みが激しく、NYダウに大敗を喫することももめずらしくありません。
しかし、PPPへ投資するリスクを冒せないという方も、5銘柄や10銘柄ポートフォリオに関しては、長期で取り組めるのであれば、実践の価値はあると思います。

当たり前ですが、投資判断は自己責任にてお願いします。

 

今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。