長期投資の利回り(2)

長期投資の利回り(2)

こんにちは。

前回の記事では、投資を実践するに当たって、
複利で運用する(利益を再投資する)ことの重要性を確認しました。

複利で運用することの優位性は確認できたのですが、
それでもある程度の時間はかかるのです。
前回の記事のグラフを見ていただくとわかるのですが、
年間利回りが5%とすると、30年かかって約4.3倍になります。

これでは、もともと特別な資産を持たない人とっては、
やらないよりはずっと良いのですが、
大きく資産を増やすことができないといえるかもしれません。
もともと1000万円単位の資産のある人は別ですが。

そこで、一般のサラリーマンが、
現実的にもっと資産を増やせる可能性を探ってみましょう。

定額積立&複利運用

株式による資産運用に限らず、銀行預金でお金を増やす場合を考えると、
毎月一定額を貯金するということが1番堅実な方法です。
ただ、日本の金利は現在非常に低いので、
それでは貯金した以上の資産には現実的にはなりません。

そこで、投資の場合にも積立を行ない、
前記事の教訓を踏まえて複利で運用することにします。
実際に投資信託では細かな金額指定で定額買付ができます。

単純な貯蓄との比較

そのように運用してみると、この投資方法が、
単に貯金する場合に比べてはるかに強力であることがわかります。
積み立てた資金がその瞬間から複利運用されるためです。

以下のグラフの緑線は、初期資金なしで、
毎月5万円積み立てて年利5%の複利運用する場合の資産の増え方を表しています。
紫線の貯金の場合と比べていただくと、30年で2倍以上の差がつきます。
つまり、30年間の積立で年間利回り5%が実現できれば、
積み立てた金額以上の投資利益が得られるということです。

なお、実際は銀行貯金にもわずかに利息(0.01%のレベル)がつきますが、
今回の比較においてほとんど無視できるので年利0%としました。

注意点としては、すべての資金を投資にまわすのではなく、
給料6ヶ月分など、それぞれの人にとって安心できる金額を現金で確保しておいた方が良いです
株式相場が下落したときなどに、全財産が減少するのは心理的につらいですし、
そうでなくとも家庭の事情などで臨時出費に現金が必要になることも考えられますので。

(参考)計算式

参考までに、定額積立で複利運用する場合の、
年間利回りをrとしたとき、n年後の運用資産を求める式を載せておきます。

高校数学で習う等比級数の計算になります。
ちなみに、1/12が出てくるのは年利を月利に換算しているためです。
ご自身の運用をシミュレートする場合など参考にしていただければ幸いです。

$$n年後の投資資産 = 月あたりの積立金額 × \frac{(1+\frac{r}{100})^n-1}{(1+\frac{r}{100})^\frac{1}{12}-1}$$

いくつかの運用パターンのシミュレート

上記の例では、月あたりの積立金額と利回りを固定していましたが、
これらを変化させたとき資産の増え方がどのように変わってくるかを見てみます。

積立金額による違い

月当たりの積立金額を1万円、3万円、5万円、10万円の4種類にして、
グラフ上でそれらを比較してみます。
当然、積立金額が多いほうが資産の増え方(グラフ上の傾き)が大きくなります。
単純に積立金額を2倍にすれば資産も2倍になる、比例の関係にあります。

サラリーマン全員ができることではないでしょうが、
月10万円の積立を年利5%で複利運用することで、
30年後には8000万円を超える資産を形成することができます。
そまでは無理でも、月3万円でも30年後には2400万円、
月5万円では30年後には4000万円を超えます。
月額5万円なら捻出できるという人は少なくないと思います。

利回りによる違い

今度は利回りを変化させ、3%、5%、7%の3パターンをグラフにしてみました。
長期投資の場合、わずかな利回りの差が大きな運用益の差になります。

わずか年利1%でも、月額5万円を積立て複利運用すると、
30年後には約2100万円になります。
単純に年利0%で現金を積み立てると1800万円ですから、300万円近く上乗せできるのです。

また、月額5万円を積立て複利運用すると、
年利3%と年利5%の場合では、30年後に1100万円以上の差になります。
年間利回りで2%の差というとそこまで大きくは感じないかもしれませんが、
こうして長期間運用する場合には非常

そうすると、パフォーマンスの良い銘柄やファンドに投資するのは当然です。
しかし、それ以外にも、利回りの意味合いを考えれば、
少しでも買付・運用コストの低い金融商品に投資することが重要になります。

まとめ

初めから大きな投資資金が無い人でも、積立ながら長期にわたって複利運用すれば、
有力な資産形成の手段となることを感じていただけたでしょうか。
実際に、低コストの投資信託やETFを運用することで実現できる可能性が大いにあります。

積立金額は、常に一定ではなくとも、
各人のライフスタイルによって調整してもよいと思います。
例えば、30代までは集中的に積立を行ない、子育てや教育などで家計の支出が増えたタイミングで積立金額を減額することなどが考えられます。
いずれにしても、運用期間が長くなるほど資産を増え方が大きくなる可能性が高いため、若いうちにある程度集中的に投資すると成功する可能性が高くなります。

次回に続きます。それでは。