ドルコスト平均法だけで大丈夫?暴落時の投資戦略を考える(1)~アメリカ株インデックス編~

ドルコスト平均法だけで大丈夫?暴落時の投資戦略を考える(1)~アメリカ株インデックス編~

こんにちは。

株式市場(特にアメリカや日本)は上昇傾向が10年近く続き、株高の状態であるといわれます。
「暴落が近い」という声も多いので、株式市場の暴落時の投資戦略を考えてみましょう

ここ1年ほど、投資関連のニュースでは、以下のように「まもなく暴落がやってくる」と不安をあおるものも多いです。

ジム・ロジャーズ氏の予測はよく外れますし、自分の投資を有利にするためのポジショントークである可能性が高いです。

しかし、暴落時期の予想は当たらずとも、株式市場は循環しているのでいずれ必ず暴落は訪れます

暴落を利用して儲けたい

そう誰もが思うでしょう。株が安く買えるのですから。

理想は「底値でまとめて買い付け」ですが、現実には不可能です。
振り返って底値だと気づくのであって、未来の株価を予測するのは人間業ではありません。

しかし、暴落を利用する手段は、堅実に中長期をねらう投資家にも用意されています。
有名なドルコスト平均法(定額購入法)では、株価下落時に多くの口数を購入することにより、将来株価が戻ったときに値上がり益を得ることができます。

そこで、ドルコスト平均法にアレンジを加えることにより、より大きなリターンをねらう戦略を練りましょう。

暴落の定義:明確な基準はない

株価が急激に大きく下がることを暴落といいますが、明確な基準はありません。
ただ、それでは議論が進まないので以下のように定義します。

過去最高値から20%以上の下落が起きた場合に暴落の予兆とみなす

1年で20%の下落では暴落というほどの規模ではありませんが、事前に暴落かどうか判断できません
したがって、終わってみれば単に一時的な下落だったという結末もありえますが、せっかく訪れた暴落を逃さないようにマージンをみておきます。

そこで、ドルコスト平均法をベースに次の戦略を考え、有効性を検証します。

戦略:暴落時にドルコスト平均法に増資する。20%下落以降、マイナス10%毎に積立額をX万円増やす。

X=1の場合、20%下落で1万円増資、30%下落で2万円増資、40%下落で3万円増資…と増やしていきます。
下落から回復し、元の株価から20%安の水準を上回った時点で、増資をやめます。

暴落時にリターンを得たいならば、このように具体的なプランを決めておくことが重要です
なぜなら、動揺した心理状況でなかなか冷静に行動できないものです。

以下の要領でおこないます。

[投資条件]

  • 購入方法:ドルコスト平均法(定額購入法)にて毎月1日に円建てで購入したものとする。
  • 対象の指数:NYダウ
  • ※値上がり益のみを考え、分配金を無視する。購入手数料も考えない。
  • 指数の値はYahoo Financeの月間データ(NYダウなど)、為替レートはInvesting.comの月間データを参照しました。

[対象期間]

以下2つの暴落時期を対象とします。
直近の最高値からスタートし株価が元の水準に戻るまで投資を行なったとします。

(1) ITバブル崩壊の暴落時(1999年12月~2006年9月)
※アメリカではドットコムバブルと呼ばれるそうです。

(2)リーマンショックの暴落時(2007年10月~2013年2月)

 

https://jp.tradingview.com/より

[投資のバターン]

暴落時の投資額を以下の3パターンでそれぞれシミュレートします。

(A)ドルコスト平均法で月5万円投資

(B)ドルコスト平均法で月5万円投資+暴落時増資「-20%から開始して-10%毎に1万円増資」
※リーマンショックの底値(50%超の下落)では、一時的に5万円増資して合計10万円投資することになります。

(C)ドルコスト平均法で月5万円投資+暴落時増資「-20%から開始して-10%毎に2万円増資」
※リーマンショックの底値(50%超の下落)では、一時的に10万円増資して合計15万円投資することになります。

シミュレーション結果:ドルコスト平均法は優秀

結果は次の表のようになりました。

ドルコスト平均法だけでも、それぞれ約20%と約30%のリターンを得られています。

増資すると当然リターンは増えます。
しかし、利益率でみると2、3%程度の向上であり、少額の増資では決定的な差はつきません。
ドルコスト平均法(A)自体が優れていることが再確認できる結果ですね。

ここで、絶対金額ベースでも確認しておきましょう。

それぞれの結果をグラフにしてみました。
増資額を増やすほど、株価回復時の資産の増えるスピードが大きいことがわかります。

(1)ITバブル崩壊の暴落時

(2)リーマンショックの暴落時

※上記は過去データを元にした分析であり、今後も同様のリターンが得られる保証はありません。

まとめ:暴落時に増資した方が良いが、ドルコスト平均法だけでも十分。

株価暴落時があったとしても、ドルコスト平均法だけでも十分なリターンを得られることがわかりました。
シンプルな投資で堅実なリターンを得ることができるという、素晴らしい結果が確認できました。

ただし、下落時にまとまった金額を増資できるのであれば、さらに大きなリターンをねらえます。
その場合、平時から現金資産を確保しておく必要があります。

なお、当然ですが、投資は自己責任にてお願いいたします。

今回は以上です。次回は日経平均株価で検証してみます。
お付き合いいただきありがとうございました。